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根拠に基づく5つのツールTools

根拠に基づく5つのツール

 5つのエンパワメント支援ツールは、独立したツールとして活用することもできますが、「子どもにとって最善の利益」に向けて、複合的に活用し、総合的な子育ち・子育て支援を行うことが有効です。

 実践において、子どもの健やかな育ちへのさまざまな難しい場面に遭遇することがあるかもしれません。しかし専門職は、つねに客観的な視点で現状を捉える眼を磨きつつ、よりよい支援のあり方を検討していく必要があります。
※紙ベースの各ツールは、「ツールのダウンロード」よりダウンロードできます。
※WEB版は、SITE MENUの「WEB園児支援システム」をクリックしてご確認ください。

発達評価ツール
 デンバー式発達判定法、遠城寺式乳幼児分析的発達検査法、新版K式発達検査など、既存のさまざまな発達評価で使われている項目を参考に、複数の専門職の討議により評価しやすい項目に変更し、月齢順に並べたものであす。満7歳まで「運動発達」、「社会発達」、「言語発達」の3領域を設定し、それぞれに2つの小項目「運動発達(粗大運動、微細運動)」、「社会発達(生活技術、対人技術)」、「言語発達(表現、理解)」について子どもの客観的姿を総合的に評価することができます。

育児環境評価ツール
 人的かかわり、社会的かかわり、社会的サポート、制限や罰の回避の4領域13項目で構成され、0〜6歳児の保護者を対象として活用することができます。育児環境評価HOME(Home Observation for Measurement of the Environment)の枠組みをもとに項目と領域が設定されており、日本での家庭訪問調査によりHOMEとの基準関連妥当性、将来の発達や気になる行動等との予測妥当性が検証されています。

子どもの困り感に寄り添う支援ツール
 子どもの全体的な理解と、支援が必要かどうかを見極めるために、実践の場の専門職の経験に基づいて作成されました。支援領域(感覚、身体発達、生活支援、集団適応、運動支援、コミュニケーション、学びへの支援、虐待・貧困・DV)、項目(22項目)、子どもの姿(子どもの困っている感覚や行動、症状など)、専門職からみた具体的な視点、チェック欄、背景要因(子ども、かかわり、取り巻く環境)で構成されています。

保育教育環境評価ツール
 健やかで豊かな子どもの育ちに向けた環境、保育教育内容、園の運営全般などを客観的に評価できる内容で構成されている。また、評価を通じて子ども、保護者、専門職、環境の強みと関係性を明確にするとともに、ただ単に「できている」「できていない」の評価ではなく、継続的な質向上への評価として活用できる仕組みになっています。保育教育環境、子ども、保護者、関係機関・他職種連携の4つの領域と35分野の視点で構成されています。

社会的スキル評価ツール
社会的スキルの育ちと個人差を評価するツールで、標準的な子どもと比較して、その子どもの社会的スキル「自己表現(Assertion)」「自己制御 (Self-control)」「協調(Cooperation)」の3つの側面から子どもの特徴を把握することができます。

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総合的な子育ち子育て支援のために

 5つのエンパワメント支援ツールは、独立したツールとして活用することもできますが、「子どもにとって最善の利益」に向けて、複合的に活用し、総合的な子育ち・子育て支援を行うことが有効です。

 実践において、子どもの健やかな育ちへのさまざまな難しい場面に遭遇することがあるかもしれません。しかし専門職は、つねに客観的な視点で現状を捉える眼を磨きつつ、よりよい支援のあり方を検討していく必要があります。


エンパワメント支援ツールの複合活用の有効性(メリット)

 5つのツールを複合的に、継続的に活用することで、子どもや保護者の強みや困り感の全体像が把握でき、そこから細やかな支援が実践できます。これは大きなメリットです。例えば、目の前の子どもが困っている場面に対する支援方法を探ることだけに集中して、その元となる原因や背景、子どもや保護者を取り巻く家庭や園の環境などが見逃されることがあります。子どもを取り巻く全体像を把握して、総合的な支援を行うのが、専門職が行う支援であるため、エンパワメント支援ツールの複合的な活用が有効なのです。
 また評価にとどまらず、子どもや保護者の強みと困り感などの実態を見極め、課題に沿った総合的な支援の計画を立て、子どもと保護者をエンパワメントするもっとも的確な実践を行う必要があります。専門職の経験や力量に影響されることなく、子どもや保護者を見る見方が統一され、子どもや保護者理解が深まり、共通した視点を持って支援を行い、専門職自身のエンパワメントにつながる効果が期待されます。


5つの評価ツールを複合活用する3つの効果

(1)当事者エンパワメント(子ども、保護者、地域を幸せにするエンパワメント)
  1)子ども、保護者、園や保育教育専門職との信頼関係が強まる
  2)子ども、保護者、園や保育教育専門職のエンパワメントにつながる など
(2)実践エンパワメント(実践の質を向上するエンパワメント)
  1)全体的な現状が把握できる
  2)新たな気づきにつながる
  3)強みや課題、目標が可視化できる
  4)得意な分野や苦手な分野が可視化できる
  5)園内研修など保育教育専門職の教育へ活用できる など
(3)専門職エンパワメント(保育教育専門職自身の力量を向上しプロとしての喜びを増大するエンパワメント)
  1)園や保育教育専門職自身の継続した保育教育の質の向上につながる
  2)関係機関や多職種との連携の際、トータルサポートの資料として活用できる
  3)園や保育教育専門職理解へと活用できる
  4)園や保育教育専門職のモチベーションの向上 など


評価ツールを複合活用する有効性



子育ち・子育て支援のプロ




自らの点検と評価:PDCAの実行

P PLAN 目標を定め、その目標に沿って計画を立てる。
D DO 計画を実行する 。
C CHECK 結果の確認・評価。
A ACTION 効果が上がらなかった点の改善。
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エンパワメント支援ツールの複合活用による活用方法

 エンパワメント支援ツールの活用方法は、まず、子どもや保護者の強みや真のニーズの把握に向け、気づきと見極めのための評価ツールを使って実態を確認する。次に、それぞれの評価結果から見えた事柄や気づきを踏まえ、質の高い実践に向け適切な支援計画を立て実践を行う。そして、効果の確認への評価ツールを用いて次の支援方法を組立て直し、さらに実践を行う。「保育教育実践の質を高めるエンパワメントサイクル」のプロセスの中で、それぞれ評価ツールの複合的な活用が重要である。

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